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グラフ相関の評価に用いる感情のアークについて

この記事では、採点項目の1つである、グラフ相関の評価に用いている感情のアークについて解説します。

感情のアークとは?

感情のアークとは、物語の中で読者が感じる感情の変化を表したものです。STORYAIは、この概念をReaganら(2016年)の研究から着想を得て活用しています。彼らの研究では、海外の無料電子図書館から1,327の物語を分析し、6つの基本的な感情のアークを特定しました。様々な分析手法を用いて、物語の感情の流れを詳細に解析し、これらの感情の変化がどのように共通しているかを示しました。この研究に基づき、STORYAIは感情のアークを分析し、評価する機能を開発しています。

感情のアークの種類

研究により特定された6つの基本的な感情のアークは以下の通りです:

  1. 「貧困から富へ」(Rags to riches): 物語が始めから終わりまで一貫して上昇する感情の軌跡。例えば、主人公が困難を乗り越え、最終的に成功を収める話です。
  2. 「悲劇」または「富から貧困へ」(Tragedy or Riches to rags): 物語が始めから終わりまで一貫して下降する感情の軌跡。主人公が成功から一転して失敗や悲劇を迎える話です。
  3. 「穴に落ちた男」(Man in a hole): 物語の途中で感情が下降し、その後再び上昇する軌跡。主人公が困難に直面し、それを乗り越える話です。
  4. 「イカロス」(Icarus): 物語の途中で感情が上昇し、その後下降する軌跡。主人公が成功を収めるも、その後失敗する話です。
  5. 「シンデレラ」(Cinderella): 物語が上昇し、その後下降し、再び上昇する感情の軌跡。主人公が困難を乗り越え、最終的に幸せを手に入れる話です。
  6. 「オイディプス」(Oedipus): 物語が下降し、その後上昇し、再び下降する感情の軌跡。主人公が成功し、次に困難に直面し、再び成功するも最終的に悲劇を迎える話です。

STORYAIの評価方法

STORYAIは、物語の感情の変化を分析し、6つの基本的な感情のアークのどれに最も近いかを相関係数を用いて判断します。
また、それを得点化したものが、作品の分析結果のページで表示されるグラフ相関です。

評価結果の理解と改善方法

STORYAIの評価結果を理解することで、物語のどの部分を改善すれば良いかを考えることができます。
例えば、評価結果で「Man in a hole」に近いとされている場合、物語の中盤に感情の低下があり、
その後の上昇が強調されていることが分かります。
この場合、物語の途中で主人公が困難をどう乗り越えるかをさらに詳細に描写することで、読者の共感を得ることができます。

また、評価結果の中で感情の変化が不十分だと示された場合は、物語の特定のシーンで感情的な
ハイライトを追加することを検討すると良いでしょう。逆に、感情の変化が過度に激しいと感じられる場合は、
物語の流れをもう少し穏やかにすることで、読者にとっての読みやすさが向上します。

出典

Reagan, A. J., Mitchell, L., Kiley, D., Danforth, C. M., & Dodds, P. S. (2016). The emotional arcs of stories are dominated by six basic shapes. EPJ Data Science, 5(31). DOI: 10.1140/epjds/s13688-016-0093-1