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第15回「ことばとこころ」|Endu.のクリエイティブディレクション講座受講録

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2025.08.28

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「ことばとこころ」

玉山 貴康 氏


電通
コピーライター/グループ・クリエーティブディレクター

電通入社後、SP局配属を経て、32歳でCR局に転局、コピーライター職に。
最近の主な仕事には、Honda「#RunForever」、味の素「ガッツギア」「活かすぜ!アミノ酸」、ハウスメイト「ふしめにハウスメイト」、オートバックス「かかりつけ整備士」など


講義の内容
1. 言葉の技術=書きザマ
2. 人柄=生きザマ
3. クリエイティブディレクションとは
4. 最後に



冒頭に、玉山氏は「私なりのクリエイティブディレクションは技術(言葉)と人柄(本人)」であると述べられました。


▼ 1. 言葉の技術=書きザマ

講義では、言葉は単なる記号ではなく、「人間の記憶の集合体」だという考え方が紹介されました。その言葉の先には、風景や温度、におい、触覚、味覚など、五感に訴える豊かな情報が広がっているということです。
私たちは、言葉の“表面”ばかりを見ていて、その奥にある「本質」を見落としてはいないか。そう問いかけられ、確かに本質を見逃してしまうことはあると思います。
禅問答の例えも印象的でした。
「月を指す指」を見て、月を見るのか、それとも指そのものを見るのか。言葉はあくまで“指”にすぎず、本当に大切なのはその先にある“月”=意味や背景だというお話です。
例として、認知症で亡くなった女優の南田洋子さんに、長門裕之さんが最後にかけた「ばかやろう」という一言。字面だけ見れば乱暴ですが、その背景にはねぎらい、感謝、愛情、悲しみが込められており、言葉の“奥”にある意味の深さを実感しました。
広告のコピーもまた、こうした「言葉の奥行き」を捉えるものだという考え方に、強く共感しました。

実際のコピーの例も紹介されました:

• 「ショックなのは、盗られたことより、入られたこと」(セコム)
• 「だって『お母さんが病気だよ』っていうんだもん。」(子ども向け防犯ブザー)
• 「LDVE -DV、それは愛を装う」(DV防止)
• 「まだ大丈夫、まだ大丈夫、まだ大丈夫…」(消費者金融の借りすぎ防止)

これらのコピーは、短いながらも受け手の心に深く残る力を持っています。


▼ 2. 人柄=生きザマ

講義では、ご自身のキャリアについても率直に語られていました。
もともとは別の部署からクリエイティブに異動されたそうですが、なかなかコピーが書けず、後輩に抜かされ、焦りの中で必死に努力を重ねられたとのことでした。
特に、コピー年鑑10年分の写経を続けていたというエピソードには驚きました。それほどの努力があったからこそ、電通グループ内の人権スローガンで入賞し、そこから仕事のチャンスが広がっていったそうです。

入賞されたコピーもとても心に残るものでした:

• 「道で転んだと、親をかばう子供がいます。」(児童虐待防止)
• 「忘れられない思い出が、どうか、いいことでありますように。」(児童虐待防止)
• 「国籍って、『打ち明けるもの』なんだろうか。」(在日外国人差別問題)

いずれも社会の痛みや違和感を、やさしく、けれど鋭く言葉にしたものばかりです。


▼ 3. クリエイティブディレクションとは

講義では、クリエイティブディレクションとは「思いを受け止めること」だというお話がありました。
クライアントの担当者、その上司、営業、流通、そして自社のスタッフなど、関係するすべての人の「思い」に耳を傾けることが大切だと語られていました。
そして、その思いに対して言葉で方向性を示していくには、時間もエネルギーも必要です。「タイパ(タイムパフォーマンス)」ではなく、悩み、苦しみ、迷う時間があるからこそ、信頼を得ることができるのだと感じました。
また、仕事がつらいときの考え方として、「昔からの友達に相談されたと想定して考える」というアドバイスも印象的でした。そうすることで、余計な力みや利害が抜け、自然と相手を思いやった言葉が出てくるのだそうです。


▼ 4. 最後に

「あなた自身が広告です」という言葉が強く印象に残っています。

• あなたの名前は“製品名”
• あなたの見た目は“パッケージ”
• あなたの人柄は“ブランド”

だからこそ、「人の痛みがわかる、いいやつになってください」と。
講義の最後に、「今日の講義で心に残った言葉は何ですか?」と問いかけられました。
その答えこそが、今日の自分にとっての“コピー”なのだと思います。

今回で、全15回にわたる「クリエイティブディレクション講座」が幕を閉じました。
この貴重な学びの機会をいただけたこと、本当に感謝しています。ありがとうございました。
全体の振り返りは別のブログでアップしたいと思います。お楽しみに!

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