クリエイティブディレクション講座 7回目 1月23日
「クリエイティブディレクションをあなたが執る理由」
谷口 昇司 氏
電通デジタル
エクスペリエンスクリエイティブ部門
エグゼクティブクリエイティブディレクター
▼経歴
約19年間の広告業界経験を持ち、2020年から電通デジタルに所属。多様なクライアントとメディアを手掛け、手法や媒体にとらわれないクリエイティブスタイルを確立。Cannes Lionsなどの国際広告賞や国内主要広告賞を多数受賞し、海外広告賞の審査員も務める。
▼講義の内容
- 印象に残ったポイント
- おわりに
1. 印象に残ったポイント
▼クリエイティブディレクター(以下CD)は「全知」であるべき
まず最初に心に残ったのは、「CDは全能ではなく全知であるべき」という言葉。すべてを自分でやろうとするのではなく、幅広い知識と経験を持ち、最適な判断を下すことが求められるそうです。逆に、何でも自分でコントロールしようとするCDは、うまくいかないことが多いのだとか。
▼アイディアは変化してOK。でも本質は守る
アイディアはどんどん変化していいけれど、本質だけは守ること。たとえば、クライアントやチームの意見で方向性が変わることはあるけれど、軸がブレてしまうと、結局「何が言いたかったのか」が伝わらなくなる。柔軟さと芯の強さのバランスが求められるとのことでした。
▼前線に立ち、先陣を切る
「CDは後ろで指示を出すのではなく、最前線に立つもの」。この言葉もグッときました。実際、CDはチームを引っ張る立場なので、会議でもプレゼンでも先陣を切って話し、方向性を示すことが大切なのだそうです。確かに、頼りになるリーダーがいると、チームの士気も上がりますよね。
▼「最初からMTGに出ろ」
アカウントやストラテジックプランナーに任せてしまうのではなく、最初からミーティングに参加すること。そうすることで、プロジェクトの「目的」が見え、単なる手段に振り回されなくなる。
▼アイディアとは何か? 未来をつくる考え方
「アイディア」と聞くと、まったく新しい何かを生み出すことだと思われがちですが、実はそうではありません。真のアイディアとは、オリジナルな考え方であり、今までの価値観に新しい視点を加えて未来を更新するもの。
例)The ALS Associaton - Project Revoice - Case Study
▼オリジナリティとは何か?
「100%オリジナルのものは今の時代ほぼ存在しない」という話も興味深かったです。
▼「リスペクトが足りないと炎上する」
炎上問題も昨今は見逃せません。成功の理由は、俳優・鈴木雅之さんへの「完全なリスペクト」があったこと。逆に、リスペクトが足りないと、どんなに意図が良くても炎上してしまう。これは広告に限らず、すべての表現に通じる話だなと思いました。
例)NIVEA Face Wash 2021SS Digital Campaign
▼「What IF…?」の発想
クリエイティブの考え方として、「What IF…?」(もし○○だったら?)という思考法も紹介されました。
▼ディレクションとは「信じて託すこと」
ディレクターの役割についても考えさせられました。ディレクションとは、ただ丸投げすることではなく、適切に見通しを立てて、信じて託すこと。それぞれの専門をほんのり理解しつつも、細かく口出しせず、専門家に任せるべきところは任せる。これはどの業界でもどのチームでも応用できる考え方ですね。
▼「AIはサポート、人間は考えることに集中」
AIの発展により、「クリエイティブの民主化」が進んでいるという話もありました。
2. おわりに
今回の講義を通じて、クリエイティブの本質やディレクションの考え方、オリジナリティなど、たくさんの学びがありました。
これからの時代、クリエイティブのあり方・ツール・媒体はどんどん変わっていくけれど、その根底にある「人の心を動かす」という本質は変わらないのかもしれません。
