クリエイティブディレクション講座 2回目 11月28日
「世界基準のクリエイティブディレクションの考え方」
▼講師紹介
石原 和 氏 (MRMワールドワイドマッキャン・ワールドグループ)
エクゼクティブ クリエイティブディレクター
高校時代からニューヨークで過ごす。その後もキャリアをニューヨークでスタートさせ、多くのブランド・ビルディングの経験。日本に帰国後もエージェンシーで活躍し、Cyber Cannes LionsのGoldなど多くの賞を受賞。
▼アジェンダ
- 海外で働くこと
- グローバルに勝てるクリエイティブとは?
- クリエイティブディレクターの役割は?
1.海外で働くこと
インターネットの普及により、海外で働くことやグローバルなプロジェクトに参加することが以前よりも身近になっています。特に、日本のクリエイティブは世界で通用するのかという問いについては、石原氏は「通用する」とのことでした。今回の講座のタイトルがグローバルだったのでそれを聞いて安心しました。日本のクリエイティブが通用する理由として、日本が持つ文化的・技術的な強みが挙げられます。
▽日本のクリエイティブが持つ強み
・海外からの憧れ
日本の文化や製品は、独自性と信頼性で世界的に評価されています。高品質でユニークなアプローチは多くの国々で支持されています。
・クラフト(デザイン)の高さ
特に細部へのこだわりや美しさは、世界でもトップクラスの評価を受けています。
・ユニークな発想
アニメやキャラクター文化、シニカルなユーモアなど、日本特有の独創性がグローバルでの差別化ポイントです。
しかし、海外で成功するためには、日本人特有の課題にも向き合う必要があります。
▽日本のクリエイティブが直面する課題
・謙虚さが弱さに見える
日本人の美徳である謙虚さが、海外では自信の欠如と捉えられることがあります。適切な自己アピールが必要です。
・英語力の向上
完璧な英語は求められませんが、小学生レベルでも良いので、簡潔に伝える力を身につけることが重要です。
・大胆な発想を重視する
海外のプロジェクトでは、大きなビジョンから始め、細かいスケジュールや予算は後から考えるケースが一般的です。
2. グローバルに勝てるクリエイティブとは?
グローバル市場で勝つクリエイティブの鍵は、「人間の普遍的な価値観や感情」に訴えかけることです。たとえば、カンヌライオンズのような国際的なアワードでは、「日本人だけがわかるアイディア」ではなく、「人間全体として共感できる大きな本質」が評価されます。
(ご自身も審査員を務めているとのこと。)
またアワードでもクリエイティブは重要ですが、パンデミックなどの非常時などは、従来のやり方が通用しなくなるため、柔軟な発想や独創的なアイディアが必要です。たとえば、ナイキはパンデミック中でも成長を遂げています。これらの企業は広告の枠を超え、「ブランド自体にファンをつける」ことを目指して成功しました。口コミやSNSで話題を作り、顧客ロイヤリティを高めることが、今のトレンドとのことでした。
3.クリエイティブディレクターの役割は?
「小さな炎を見極め、それに必要な酸素を与えて命を吹き込むこと。」
なるほど。深いですね…。以下の根拠をお話し頂きました。
▽感情に訴える広告の効果
広告費の多くが効果を生まない中で、心に響くキャンペーンはロジカルなものより2倍の効果を持つ。また、ブランドの知名度向上を目的としたキャンペーンは、市場シェア拡大に4倍の効果をもたらす。
▽戦略の重要性
短期的な広告ではなく、長期的にブランドを強化することが求められる。
また、最後にクリエイティブディレクターがすべきことのお話がありました。
「KPIを明確にする」、「会社の外に出てひらめきを得る」などもあったのですが、AIに関しても言及されていました。
STORYAIを運営する身としては大変気になるところ…。石原氏曰く、AIに関しては様々な議論があるが、「カンヌではAIは善としている」とのことでした。実際にチャットGPTで企画のコンセプトやストーリーボードなどに活用もあり、AIで広告を作るワークショップも開催されており、積極活用しているようでした。
AIも勿論ですが、新しい技術に関しては日々進化しているので、常にキャッチアップできる気持ちで業務に取り組み、自身の領域を広げられるように積み重ねていければと思いました。
