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Story of STORYAIIPKクリエイターアートディレクター養成講座

IPKの、アートディレクター養成講座レポート - 第十五回目

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2025.03.14

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こんにちは、IPKです。
2024年11月19日開催の15回目 アートディレクター養成講座のレポートです。

講師:佐藤 夏生氏

博報堂エグゼクティブクリエイティブディレクター
EVERY DAY IS THE DAY 代表
EVERY DAY IS THE DAY

過去実績

  • Mercedes-Benz・NIKE・adidasのクエリエイティブディレクター:歴任
  • GOOD DESIGN AWARD受賞
  • ACCマーケティングエフェクティブネスグランプリ等受賞
  • 渋谷未来デザインのフューチャーデザイナー・横浜市立大学先端医科学研究センター:エグゼクティブアドバイザーを務めている

講義の内容

  1. 課題解決から可能性創造へ
  2. アイデアと「コアアイデア」とは?
  3. 社会との関係性の中で「アイデア」は成立する
  4. 「上に立つブランド」から「前に立つブランドへ」

今回の講義では、佐藤夏生氏が講師でした。佐藤氏は、博報堂のエグゼクティブディレクターやHAKUHODO THE DAY代表を経て、2017年にEVERY DAY THE DAYを設立されました。これまでにadidas、NIKE、Mercedes-Benzのクリエイティブディレクターを歴任し、GOOD DESIGN AWARDやACCマーケティングエフェクティブネスグランプリなど、数々の受賞歴を持つCD(クリエイティブディレクター)として第一線で活躍されている方です。

今回の講義のテーマは「課題解決から可能性創造へ」でした。冒頭では、過去と現在におけるデザイナーの役割の変化について語られました。以前のデザインは、意表を突いた表現で「人の気持ちを動かす」ことが主な目的でしたが、現在では「新しいポジショニングの確立」や「社会に変化を起こす」ことが求められるようになっています。デザインの役割は、感覚的な鋭さや美しさだけでなく、戦略や計画を通じた意図を明確に思考し、それを言語化する能力へと広がり、より多面的かつ高度なスキルが必要とされてきています。

そのデザインの役割と変化を背景に、「良いアイデアは社会との関係性の中で成立する」と述べられました。そこに気づく以前は、同期と「これまで見てきた事象のアイデアストック」で競うような形で企画やコンセプトを考えていたそうですが、その手法には限界を感じたといいます。そこで新たな着眼点として、「社会を見る力」にフォーカスするようになりました。これにより、目の前の案件と社会との関係性を意識的に探り、これまで気づかなかった視点や別分野の知見を取り入れることで、新しい企画や斬新なアイデアを生み出すことができるようになったと語られました。このように、本質に向き合い再定義されたアイデアの核となる部分を、佐藤氏は「コアアイデア」と呼んでいます。

「コアアイデア」は、社会との新たな関係を築くための重要な要素です。その一例として、水野学氏が手がけた「くまモン」が挙げられます。著作権をフリーにすることで、誰もが自由に使用できるようになり、結果的にキャラクターの認知度拡大に大きく貢献しました。また、タルト専門店「キルフェボン」の事例では、焼き菓子が地味な見た目になりがちな課題に対し、色とりどりの果物を使い、店頭で華やかに陳列するというアイデアが採用されました。この方法は、従来のケーキ作りの作業工程とは異なり、工程を簡略化しながらも視覚的なインパクトを強化するものです。これにより、他のケーキ屋とは異なるポジショニングと独自の価値を確立しました。

このように「誰にでも知られるキャラクター」や「おいしくて食べたくなるタルト屋」といったゴールにたどり着くためには、単なる味のクオリティや見た目の可愛さといった一般的な視点だけではなく、本質的な答えを見つける必要があると事例を通じて示しました。その「本質を見る」習慣について、印象的なエピソードも語られました。例えば、「トイレの後に手を洗うべきかどうか」という一見当たり前の行動についての疑問です。世間では手を洗うことが一般的ですが、実際には携帯電話や電車のつり革など、日常的に触れるもののほうがはるかに汚れていることに気づいたといいます。それに比べて、トイレでは実際にはそれほど汚れた場所を触れていない場合も多いのに、なぜ手を洗うことが常識になっているのか、という発想に至ったそうです。このような日常生活の中の本質的な気づきが、物事を新たな視点で捉えるヒントになると語られました。

今回の講義では、多くの事例を通じて、はっとさせられる気づきが数多くありました。世の中に広く知られるクリエイティブ作品には、単なる驚きや美しさだけではなく、社会との関わりを問い直し、再定義されたアイデアが多く含まれていることに気づかされました。その答えは、必ずしも質を高めたり、何かを足し算するだけではなく、前提を一歩引いて見直すことで、全く新しい価値を生み出す可能性があるのだと感じました。このような「本質を見る視点」は、デザイン業務だけでなく、日常生活の中でも意識することで新たな発見につながると思います。今回の学びを活かし、普段から気づきをストックしていきたいと思いました。

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