クリエイティブディレクション講座 3回目 12月5日
「最高の"あなた"を引き出すクリエイティブディレクションの技術とは。」
▼講師紹介
藤井 徹 氏 (ADKより独立)
クリエイティブディレクター/コピーライター
2024年、ADKより独立。コンセプト開発と価値の言語化を起点に、企業やブランドの戦略立案からクリエイティブ制作まで広く深く活動中。
主な仕事に、宝島社「いい国つくろう、何度でも。」「飯スマホやめ〜い!プロジェクト」、NTTドコモ「復活!あの頃ケータイ」、ACジャパン「聞こえてきた声」など。
カンヌライオンズをはじめ、広告賞の受賞多数。
▼アジェンダ
1. 言葉が仕事の質を決める
講義の冒頭、藤井氏は「クリエイティブ・ブリーフ」の重要性を強調しました。この広告の設計図ともいえるブリーフには、課題の明確化、社会や人々が抱える問題、そして真に解決すべき課題を具体的に記載する必要があります。
例えば、地域協創プロジェクトとして行ったNTTドコモの「みんなのうちなーぐち辞典」では、沖縄方言を動画で収録して辞典化するというアイディアが生まれました。このようなクリエイティブ・ブリーフは、スタッフの想像力を刺激し、プロジェクトの魂を燃え立たせる役割を果たしました。
2. いいアイディアは「必ず」生まれる
藤井氏は、優れたアイディアを形にするプロセスで重要なのは、発想を早期に具体化する「核」を見つけることだと述べました。その「核」に肉付けを加えることで、より具体的で影響力のあるアイディアが実現します。
また、アイディアを生む際に重要なのは「変なことを言い出す力」です。他人が考えない視点や妄想力を発揮することで、既存の枠組みを超えた革新的な提案が可能になると語りました。例えば、ハイネケンの広告キャンペーン「シャッターアド」では、物理的な障害を広告として活用するユニークな発想が評価されました。
ハイネケンが店のシャッターを宣伝媒体に コロナ禍の飲食店支援 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
3. アイディアを「通す」ディレクションの重要性
藤井氏は、自身が20代の頃に経験したエピソードを交えながら、良いアイディアを通すためには、クライアントとの連携や説得力のあるプレゼンが不可欠であると述べました。若手時代、アイディアを実現するために自らプレゼンを志願し、クライアントとのコミュニケーションを深めた経験が、後のキャリアに大きな影響を与えたとのことでした。
4.「妄想力」と「直観力」を磨く
藤井氏は、クリエイティブディレクターに必要な能力として「作文力」「洞察力」「妄想力」「直観力」を挙げました。特に直観力については、「超意識」のレベルで普遍的な心理を捉える力が求められると語ります。例えば、ACジャパンの「聞こえてきた声」のキャンペーンでは、日常的な問いかけからジェンダー平等を提示し、社会に対するメッセージ性を高めました。
5. 社会を変えるクリエイティブの力
最後に、藤井氏は「クリエイティブは、単に商品を売るための手段ではなく、人や社会に向き合い、新たな価値観を提示するためのツールである」と述べました。
また、「オリエンにないゴールを設定すること」も強調されました。クリエイティブの質は、設定した目標の高さやその意義によって左右されます。「この仕事を時代や人生とどのように関係づけるか?」という問いが、より価値ある成果につながるのです。
▽最高の「あなた」を引き出すために
講義の締めくくりとして藤井氏は、「クリエイティブディレクションとは、チームメンバーや周囲の人々の最高の姿を引き出す技術である」と結論づけました。社会の常識に挑戦し、新しい価値観を提案するクリエイティブディレクターの役割。その熱量と信念が、私たちの生活や社会に革新をもたらすとのことでした。
ディレクターとしてのチームパフォーマンスを最大化するための立ち回り、社会に対する鋭い洞察力…など人間力磨きにも力を入れていかないといけないと強く感じた講義でした。
