クリエイティブディレクション講座 4回目 12月12日
「ストラテジストから見たクリエイティブディレクション」
講師:吉田 透氏 LENS 代表 BOLD チーフストラテジックオフィサー
1985年博報堂に入社し、ストラテジックプランニングディレクターやMDディレクターを歴任後、Wieden+KennedyやNaked Communicationsで活躍。300社以上のプロジェクトに携わり、商品開発や広告企画を手がける。現在はBOLDのCSOや個人オフィス「LENS」を運営し、社会貢献活動にも取り組む。
▼講義の内容
- クリエイティブディレクターの仕事
- クリエイティブパワーの最大化
- クリエイティブストラテジストの仕事
- コア・アイディアの発想法
- これからのクリエイティブ
1. クリエイティブディレクターの仕事
クリエイティブディレクター(CD)の仕事は単なる広告制作にとどまらず、ブランドの本質を社会に伝え、その価値を文化や社会に根付かせることです。たとえば千利休は、「わびさび」の美を発見し、茶の湯を体系化しました。このように独自の価値を見出し、新たな基準を作ることが、CDに求められる重要な役割です。また、CDはクライアントのビジネスパートナーであると同時に、社内ではチームを導き育てるリーダーでもあります。クリエイティブの仕事は「脳と感性を使うスポーツ」であり、チーム全体が最高のパフォーマンスを発揮できる環境作りが求められます。
2. クリエイティブパワーの最大化
CDの役割には、環境作りも含まれます。吉田氏は、脳科学に基づくコンディショニングがクリエイティブを高める鍵だと語ります。水分や酸素、糖分、睡眠の質を整え、ひらめきを誘発しやすい状態を作ることが重要です。驚くべきことに、ひらめきが起こる脳とぼーっとしている脳の状態は同じだと言います。確かに、ひらめきはデスクではなく、自宅や外出先でふとした瞬間に訪れることが多いものです。
特に印象的だったのは、吉田氏がWieden+Kennedy時代に採用していた「WALL(壁)」の手法です。プロジェクト開始時に専用の部屋や壁が用意され、誰でも自由にメモや写真を貼ることができます。名前を記載せず、気軽にアイデアを共有できることで、新人の意見も忖度なく反映されます。こうした方法で、チーム全体が共同作業を通じて最高のアイデアを育てていきます。
3.クリエイティブストラテジストの仕事
吉田氏は「クリエイティブストラテジストは情報の加工業。ビジネスの課題を洞察してコア・アイディアを見つけ、クリエイターがプリズムのように様々な色に変える」とのことでした。とても納得できる表現で、上流のクライアントのビジネスの課題を深ぼって考えることでゆるぎないものがコアにあってそこから表現が広がっていくのが素晴らしいと思いました。
4.コア・アイディアの発想法
その大事なコア・アイディアですが、AIの普及による正解のコモディティ化が進み、正解はだんだん低価値になるとのことでした。なので、いかに「面白い不正解」で常識を変えていくのが、今後の競争力になります。
5.これからのクリエイティブ
スマホが出てきてマスメディアから2wayへ大きく変わった。つまりは、生活者がSNS発信などで能動的になり、みんなでブランドを作る時代なので、参加できる状態・手が届く状態にしていくのが大事とのことでした。ファンダム(推し)も事例として挙がっていました。確かに私は以前ゲーム会社に勤めていた際にファンダム戦略など掲げたり、リアルイベントやSNS上でのユーザー様の存在感を大分感じていたので、そのような感覚をブランドコミュケーションの視野として持つことも大事だと感じました。
▽最後に
実はクリエイティブストラテジストの方とお会いする機会があまりなかったのですが、講義を通じて、コア・アイディアを創出したり、とてもクリエイターにとって欠かせないパートナーであり、思考の部分も見習いたい部分がとても多かったです。
※サムネモチーフの由来
「クリエイティブストラテジストは情報の加工業。
ビジネスの課題を洞察してコア・アイディアを見つけ、クリエイターがプリズムのように様々な色に変える」というワードが印象的だったので、プリズムをモチーフにしています。
