アートディレクター養成講座 14回目 11月12日
講師
野口孝仁氏
株式会社ダイナマイトブラザーズ・シンジケート代表
クリエイティブディレクター
Dynamite Brothers Syndicate - 東京都港区のデザインコンサルティングファーム
手掛けた案件
ホテルの周年記念の全体像から個別のプランまでディレクション
InterContinental Yokohama Pier 8 | デザイン事例 | WEBデザイン
パッケージデザイン
GODIVA | デザイン事例 | ロゴ・パッケージ・グラフィック
講義の内容
- 雑誌が出来るまで「美術手帖のワークフロー」
- エディトリアルデザインのディティール
- Q&A「エディトリアルデザインをする上での視座」
今回の講師は、1999年に株式会社ダイナマイトブラザーズ・シンジケートを設立。これまでに、「ELLE JAPON」「東京カレンダー」「美術手帖」などの人気雑誌のアートディレクションやデザインを手掛けてきました。現在は、エディトリアルデザインで培った思考を活かし、老舗和菓子店やホテル、企業のブランディングやコンサルティングなど、幅広い分野で事業を展開。アートディレクターとして第一線で活躍されています。
講義の題材は「雑誌ができるまでのワークフロー」。さまざまな案件に応じた雑誌制作の進め方を軸に、エディトリアルデザインについて解説されました。講師の野口氏は、デザイナー出身ではないクリエイティブディレクターという異色の経歴を持つ方で、その視点から自身のキャリアや業界の変遷について語ってくださいました。
野口氏がデザイナーとしてのキャリアをスタートした頃は、絵を描くことには自信があったものの、デザインの技術に苦戦していたそうです。その際、「色選びなら自分でも始められる」と考え、徹底的に「色」の勉強から取り組みました。その結果、色選びの本質を理解することでデザイン全体が成立することに気付き、次第に「構図」や「フォント」選びも徐々に向上していったといいます。また、デザイナーとして駆け出しの頃は奇抜な表現や鋭いデザインに走りがちだったものの、「基本要素に立ち返り、基盤を徹底的に理解すること」が、後に独自の世界観を表現する応用力につながると強調されていました。
講義の中で展開された「色」をテーマとする話題の中で、「色をイメージで選んでいないか?」という言葉が特に心に響きました。例えば、空と言えば「青」、リンゴと言えば「赤」といったように、頭の中でイメージされた色に基づいて安易に選んでしまうことが多いものです。しかし、その結果、本来の自然の色やそのものが持つ本質的な色を見逃してしまうと指摘されました。この言葉は単に色の選び方にとどまらず、世の中の習慣や固定されたイメージにとらわれることで、本質を見ずに選択してしまう自分の姿にも気付かされるものでした。
これを機に、自然の色や物の本来の姿を改めて見つめ直し、「当たり前」とされることについても、「なぜこうなっているのか?」「別の視点ではどう見えるだろうか?」といった問いを持つ習慣を身につけたいと感じました。
